雑記

権力装置としての学校教育について

権力装置の一つとしての学校教育は、教師の命令に従わないものを落伍者とし、工場労働へと繋げる。落伍者は、自らを落ちこぼれと自認することによって、あきらめて工場への道を歩む。学校教育が落伍者をつくることを一つの役割としていることに間違いはない。...
雑記

関係の断った共存

国家と同僚、どちらも身近な存在でありながら、それらと関係を断つこと。こうした関係を絶った共存、それが可能ならばそれはひとつの勝利となるであろう。上からの指示を伝えない、何かを隠すこと、様々な失敗を助長させる圧力によって、個人同士の関係に留ま...
家具製作

家具製作の覚書 木材の購入

木は伐採後、車、トロッコ、船、ヘリコプター等をを使い、乾燥のために野積みされる場所へ運ばれる。その後、原木市で競りにかけられるものと、製材後に、桟積みされた状態で天然乾燥を経て、含水率が15~18%になったものが市場に並ぶものとに分かれる。...
哲学

「コンヴィヴィアリティのための道具」イヴァン・イリイチ ~その③~

イリイチは、自立共生的な再構築には今日の政治目的を逆倒することが必須だとし、それが人々の生き残る唯一の手段だと考える。道具の使用が、今日の政治的目的である経済発展の手段としてそれに従属する限り、道具の使用そのものの楽しみはその目的から疎外さ...
哲学

『物質と記憶』アンリ・ベルクソン 〜その④〜

ベルクソンは、第一章における考察のまとめとして、知覚を以下のように図式化している。「知覚においては、次々と絶えることのない瞬間的ヴィジョンを記憶力の連続的な糸で繋いでいくことに限られ、それらのヴィジョン自体はわれわれのほうではなく、むしろ事...
哲学

『物質と記憶』アンリ・ベルクソン 〜その③〜

ベルクソンは、情感という語を身体内部に位置付けられる諸感覚の意味で使う。表象が対象の側に属する緒状態を示すのに対し、情感は身体表面ないし内部の状態を指す。情感は身体内部の物質的状態の知覚から生じ、怒りや喜びといった非物質的とされる感情とはひ...
雑記

良い道具

少しばかり値段のする深型のガラスボウルを買った。ARC INTERNATIONAL というフランスメーカーのものである。縁がわずかに厚くなっており、そのガラス越しに食材やキッチン道具の投影が美しく映える。私は高級な道具を揃えたいという考えを...
哲学

『物質と記憶』アンリ・ベルクソン 〜その②〜

脳や脊椎、知覚器官を中心とした神経系の機能とは、刺激に対する表象を作成することではない。神経系の機能とは、刺激の受容とそれに対する運動装置を自らその一部となって構成することである。この機能だけを取り上げるならば、下等、高等な種別はおろか、ロ...
哲学

『物質と記憶』 アンリ・ベルクソン 〜その①〜

ベルクソンの「イマージュ」は、観念論が「表象」と呼び、実在論が「もの」と呼ぶ存在に対して、その存在を両者の中間に当たる存在として捉え直すために用いられた語である。イマージュという語による存在の把握は、日常における存在の把握と何ら変わらない。...
哲学

「コンヴィヴィアリティのための道具」イヴァン・イリイチ ~その②~

二十世紀の医療の歴史には、二つの分水嶺がある。最初の分水嶺は、二十世紀初頭の科学的発見の数々がもたらした医療技術の進歩である。水の浄化→下痢等による幼児の死亡率の低下アスピリンの使用→リウマチの痛みの緩和キニーネの使用→マラリアの回復ネズミ...