哲学 「創造的失業の権利」イヴァン・イリイチ ~その①~ 「中等後の学校教育、成人教育、予防医学、幹線道路、電線を張りめぐらした包括的な集落に万人が近づくことは、まだ立派な目標であった。今日では、教育、運輸、健康ケア、都市化などをめぐって組織化され、神話を作りだす大祭儀が部分的ながら解明されてきた... 2025.02.15 哲学
哲学 欲望機械 その① 欲望機械とは二項機械のことである。二項機械とは、ひとつの機械がもう一つの機械に連結している状態のことである。この連結は二つの機械の間で閉じてしまっているのではなく、一方の機械は第三の機械と連結することで、……と、……と、というふうに二項系列... 2024.12.01 哲学
哲学 隷属と服従の区別 平滑と条里について 『千のプラトー』において、ドゥルーズは「機械状隷属」と「社会的服従」の区別を説明している。隷属とは、人間が自己の主体性を失い、他の人間や技術的機械、道具と共に同じ構成部品の一部となって協働することである。上位コードの管理下に置かれ、歯車とな... 2024.11.17 哲学
哲学 「コンヴィヴィアリティのための道具」イヴァン・イリイチ ~その③~ イリイチは、自立共生的な再構築には今日の政治目的を逆倒することが必須だとし、それが人々の生き残る唯一の手段だと考える。道具の使用が、今日の政治的目的である経済発展の手段としてそれに従属する限り、道具の使用そのものの楽しみはその目的から疎外さ... 2024.01.27 哲学
哲学 『物質と記憶』アンリ・ベルクソン 〜その④〜 ベルクソンは、第一章における考察のまとめとして、知覚を以下のように図式化している。「知覚においては、次々と絶えることのない瞬間的ヴィジョンを記憶力の連続的な糸で繋いでいくことに限られ、それらのヴィジョン自体はわれわれのほうではなく、むしろ事... 2023.09.29 哲学
哲学 『物質と記憶』アンリ・ベルクソン 〜その③〜 ベルクソンは、情感という語を身体内部に位置付けられる諸感覚の意味で使う。表象が対象の側に属する緒状態を示すのに対し、情感は身体表面ないし内部の状態を指す。情感は身体内部の物質的状態の知覚から生じ、怒りや喜びといった非物質的とされる感情とはひ... 2023.09.18 哲学
哲学 『物質と記憶』アンリ・ベルクソン 〜その②〜 脳や脊椎、知覚器官を中心とした神経系の機能とは、刺激に対する表象を作成することではない。神経系の機能とは、刺激の受容とそれに対する運動装置を自らその一部となって構成することである。この機能だけを取り上げるならば、下等、高等な種別はおろか、ロ... 2023.08.13 哲学
哲学 『物質と記憶』 アンリ・ベルクソン 〜その①〜 ベルクソンの「イマージュ」は、観念論が「表象」と呼び、実在論が「もの」と呼ぶ存在に対して、その存在を両者の中間に当たる存在として捉え直すために用いられた語である。イマージュという語による存在の把握は、日常における存在の把握と何ら変わらない。... 2023.07.30 哲学
哲学 「コンヴィヴィアリティのための道具」イヴァン・イリイチ ~その②~ 二十世紀の医療の歴史には、二つの分水嶺がある。最初の分水嶺は、二十世紀初頭の科学的発見の数々がもたらした医療技術の進歩である。水の浄化→下痢等による幼児の死亡率の低下アスピリンの使用→リウマチの痛みの緩和キニーネの使用→マラリアの回復ネズミ... 2023.07.02 哲学
哲学 「コンヴィヴィアリティのための道具」イヴァン・イリイチ ~その①~ 「現代の科学技術が管理する人にではなく、政治的に相互に結びついた個人に使えるような社会、それを私は“コンヴィヴィアル(=自立共生的)”と呼びたい。」「ひとつのやりかたは、機能の専門化と制度化と権力の集中をもたらし、人々を官僚制と機械の付属物... 2023.06.18 哲学