スケートボーダーの非行化=犯罪化

有名スケートボーダーが大麻取締法違反の疑いで逮捕されたニュースを見た。スケートボーダーは五輪競技で注目されるまでは世間的には選手ではなかった。彼らの界のなかで憧れられる存在であったとしても。そしてまた大会の瞬間には選手になったとしても。彼らは社会の外にいて彼ら独自のスタイルをもち、決して商業化されることがなかった。しかしいったんオリンピック競技となり、有名選手がでてきて、そして彼らは社会に取り込まれた。商業的にもてはやされ、そして今回のように政治的に有名選手の大麻使用をとりあげることで、それまで彼らの中つまり社会の外で常識であったことも、社会の中で非常識となったのである。彼らははじめて非行者=犯罪者となったと言えるかもしれない。社会を寄せ付けない彼らの生き方は、こうして社会の中でスタイルと認められたとしても、それは一部の有名人と、その他大勢の悪い者たち、つまり犯罪集団をつくることにしかならないだろう。商業化を受け入れず、犯罪化を受け入れないことが彼らの権力であり、正常化=規範化権力を寄せ付けないものであったはずだ。私が子供のころ、スケートボーダーを格好よく思い、同時に怖く思ったのもそういった権力をもっていたからだろう。

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